「ダンスまでやるのは,美術としてはどうなのか。」


 私は,考察でも書いたとおり,ダメだとは思っていません。
ただ,この発表を聞く限りでは,とても重要なことが抜けていたのです。
それは,「具体目標」と「評価」の部分です。資料にも書いてありませんでした。
ここが一番問題だと思っています。
 私がダンスもありだと思うのは,あくまで,
美術科としての目標に則っての実践であれば,
ということです。
 たとえば,
「実際に身に付けてパフォーマンスすることで,仮面の効果や見栄えの変化に気づくことができる。」
とか,
「仮面のイメージに合うパフォーマンス行い,より仮面を引き立たせる工夫ができる。」
「友だちの発表を見て,仮面の面白さや使い方の工夫を相互評価し合うことができる。」
といった目標があったかどうか,です。
あったのかも知れません。まとめのワークシートでは書かせたかも知れません。
であるならば,なぜ,そのことを発表しないのか?

助言の先生が,随分と話していましたが,
どうも,その先生も同じ実践を過去に行ったことがあるらしく,
しきりに「生徒が生き生きとやっていた。」「わくわくドキドキ感が喜びや生きる力になる。」
「新しい教育課程に対応する実践だ。」と言っていましたが,その先生からも,
この題材の「美術としてのねらい」が語られることはありませんでした。
だから,「ダンスまでやるのは・・・」という意見が出てしまったのだと思います。
このねらいや目標がきちんと説明できないと,今はまずいのではないでしょうか。
そこには評価もからみます。「ダンスがおもしろくできた。」となってしまっては,確かに,
美術の評価ではないですね。
きっと,この意見を言った先生は,その辺が聞きたかったのではないでしょうか?


ちょっと苦言を呈するならば,そろそろ「新しい教育課程」という言葉は,もうやめた方がいいと思いました。
新学指導要領という言葉もそうです。
「新」は,最初の1年だけにしませんか?
もうすぐ,次も出ることですし・・・。

すいません,その場にいないと,伝わりにくいかも知れない内容ですね・・・。